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2019.04.17

子供の滲出性中耳炎

あっという間に開院1ヶ月が過ぎました、花粉症の時期も重なり余裕がない局面があったかと思いますが、どうかご容赦いただければと思います。また、初めましての方が多いのですが大病院勤務医時代の患者様でわざわざ当クリニックまで足を運んでいただいている方も多く、本当にご不便をかけております。精一杯、最適の治療をもって対応させていただきますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

子供さんも多く、意外に耳鼻科恐怖症のお子さんも多い印象を受けておりますが、勤務医時代から僕は無理やり複数人の大人で押さえつけての診察は可能な限り避けております。中には此処一番押さえなければならない局面もありますが、子供は子供なりに耳鼻科治療が怖くなくまた大して痛くない(全く痛くないとは言いませんが・・・)ものであることが理解できれば必ず診察させてくれるものだと信じてやってまいりました。その延長が、多くのお子様に対して鼓膜切開や鼓膜チューブ留置を外来診察室で行ってきたことに繋がっているのだと思っております(残念ながら全員ではないですが・・ただ3.4歳以上であればしっかり説明してあげ、安心させてあげることが大事だと思っております)。特に滲出性中耳炎は長引くことで慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎といった難聴が生涯残ってしまう可能性が高い病態へと進展していきますので、長引く時は鼓膜チューブ留置のタイミングが重要です。近年わが国でもガイドラインが作成されて、滲出性中耳炎治療の均一化がなされてきております。できれば鼓膜チューブ留置に至る前に治したいところですが、そのためには薬による鼻治療の継続とポリッツェル球というゴム製の器具を用いて鼻から耳に空気を送るいわゆる通気治療が従来から良いとされてきております。子供の通気治療は効果を得るには頻回な通院を要しますが、当院では忙しい親御さんのために「オトベント Otovent®」というデンマーク発祥の滲出性中耳炎・航空性中耳炎用の(医療用)鼻風船システムを導入しており、自宅メインでの治療も可能としております。もちろん滲出性中耳炎を繰り返す場合や治療しているにも関わらず病態が悪化し聞こえが悪くなっていく背景にはアデノイドといって鼻の奥の扁桃組織が肥大している可能性もございます。そのような時は耳管処置ではいくら通院しても治りませんので、状況に応じては総合病院耳鼻咽喉科に紹介し、全身麻酔下でアデノイド切除と鼓膜チューブ留置を同時に行うことを勧めさせてもらいます。

 

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